芸協の勢いを語る上で、神田伯山という劇薬の存在は決定打となった。落語家が多数を占める寄席のプログラムにおいて、講談師である伯山が放つエネルギーは異彩を放ち続けている。
張り扇で釈台を叩き、歴史の亡霊たちを現代に呼び戻すような圧倒的な語り口。伯山の真打昇進と大ブレイクは、講談という芸能を再発見させただけでなく、寄席という空間そのものの価値を再定義した。落語ファンが講談に息を呑み、講談を目当てに訪れた観客が落語の洒脱さに酔いしれる。この刺激的な相互作用が、客席の熱量を一気に引き上げた。
新宿末廣亭などの寄席興行では、看板に伯山の名が並ぶだけで連日満員札止めを記録。伝統芸能の枠組みを超えたエンターテインメントとしての底力を、彼らは見せつけている。