親の光芒に頼ることなく、自らの足で音楽の道を切り拓いたのが草刈雄士というアーティストだった。彼は「YUSHI」の名で、世田谷区出身の幼馴染らとともに結成されたヒップホップクルー「KANDYTOWN」の結成期を支えた中心人物である。MCやプロデューサーとしての鋭い感性、ラップのライミング、卓越したアートディレクション能力は、クルー内でも一目置かれていた。
日本のヒップホップ界において、KANDYTOWNはのちにメジャーシーンへと上り詰めるが、その根底にあったスタイリッシュでストリート感溢れる美学は、紛れもなく彼が植え付けたものだ。芸能界のサラブレッドというレッテルを嫌い、純粋に音と向き合い続けた姿勢は、今も同世代のクリエイターたちに語り継がれている。