なぜ、ベートーヴェンでもモーツァルトでもなく「バッハ」なのか。東京の脳科学研究所が発表した最新データが、その謎を解き明かす。
バッハの楽曲、特にチェンバロやピアノのために書かれた作品は、極めて数学的で対称性の高い構造を持っている。この規則正しい音の配列が、脳の自律神経を整える「1/fゆらぎ」を強く誘発するという。深夜、視覚情報が遮断された状態でこの音律を聴くと、脳波は急速にリラックス状態を示すアルファ波、さらには深い睡眠の手前であるシータ波へと移行する。つまり、あの歌の通り、夜にバッハを聴くことは科学的にも「脳を強制リセットするスイッチ」になっていたのだ。