F-16をベースに開発された航空自衛隊の支援戦闘機「F-2」(愛称:バイパーゼロ/平成の零戦)ですが、外見こそF-16に似ているものの、その実態は「まったく別の戦闘機」と言えるほどの進化を遂げています。
両機の決定的な相違点は以下の3点に集約されます。
- 主翼面積と機体構造:F-2の主翼面積はF-16比で約25%拡大されています。主翼には当時世界最先端であった炭素繊維強化複合材料(CFRP)の一体成形技術が採用され、軽量化と高強度を両立。低空での安定性と旋回性能が大幅に向上しました。
- 世界初のアクティブ・フェーズドアレイ(AESA)レーダー:F-2は実用戦闘機として世界で初めてJ/APG-1 AESAレーダーを搭載しました。小型の送受信モジュールを並べることで、洋上の複数の敵艦艇を同時に高精度補足・追尾する能力を獲得しました。
- 対艦兵装の搭載能力:F-16が通常2発程度の対艦ミサイル運用にとどまるのに対し、F-2は国産の93式空対艦誘導弾(ASM-2)などを4発フル装備した状態での長距離進出が可能です。ドラッグシュート(着陸時の制動用パラシュート)の標準装備など、日本の滑走路事情に合わせた改良も施されています。
F-2はF-16の軽快さと操縦性をベースに、日本の過酷な防衛要求を完璧に組み込んだ「ハイエンドな洋上迎撃戦闘機」へと昇華された機体です。