かつて朝ドラのヒロインといえば、演技経験の少ない新人女優が数千人のオーディションを勝ち抜き、成長していく姿を視聴者が見守るというスタイルが主流だった。しかし、近年の選考傾向は確実に変化している。キャリアを既に積んだ20代の実力派女優や、インディーズ映画・舞台で確かな演技力を磨いてきた若手を抜擢するケースが増加しているのだ。
長期間におよぶ過酷な撮影スケジュールを走り抜くメンタルと、毎朝の日常に溶け込む圧倒的な存在感。制作陣が求めるハードルは年々高くなっている。単に「フレッシュさ」だけを売り隔てるのではなく、複雑な感情表現を即座に体現できる確かな技術を持つキャストが、作品の顔として選ばれる時代へと移り変わった。