この問題の根底には、歴史的な背景も横たわっている。現在の横浜市は、かつての「武蔵国」と「相模国」にまたがって作られた巨大都市だ。開港地としての歴史を持つ中心部(武蔵国側)の住民は、自らこそが正統な「ハマっ子」であると自負する。彼らにとって、戦後に開発された郊外(相模国側)は、後から付け足された「新参者」に過ぎない。
この歴史的なアイデンティティのねじれが、現代の区ごとのマウンティング行為に直結している。飲み会の席や雑談の中で交わされる「どこ住んでるの?」という質問。それは単なる世間話ではなく、相手の立ち位置を測るための踏み絵として機能しているのだ。