1947年の日本国憲法施行に伴い、華族制度は法的に廃止された。しかし、かつての華族たちが設立した社交団体「一般社団法人霞会館」は、現在も東京・霞が関ビル内に拠点を置き、会員相互の親睦や伝統文化の伝承活動を続けている。
近衛家は霞会館の創設以来、名門中の名門として中心的な役割を担ってきた。会員の高齢化や世代交代が進む中にあっても、霞会館が主催する王朝装束の着装儀礼や古典雅楽の保存活動、福祉事業への助成などは綿密に維持されている。
特権階級としての権力を完全に手放した旧華族たちが、文化と教養の守護者として社会に寄与する場。霞会館の存在は、現代日本におけるソフトパワーとしての「ノーブレス・オブリージュ」を体現している。