試合は9回裏、1点ビハインドの土壇場だった。二死一、二塁の場面で巡ってきた千両役者の第5打席。相手バッテリーは執拗に内角を攻め立て、カウントを追い込む。しかし、決め球に選んだ外角への変化球を見逃さなかった。快音を残した白球は速度115マイル(約185キロ)で右中間スタンド深部へ突き刺さる、劇的な逆転サヨナラスリーランとなった。
指揮官のロバーツ監督は試合後の会見で、「彼が打席に立つだけで球場の空気が一変する。どんなプレッシャー下でも自分のスイングを貫ける精神力こそが、この男の異次元たる所以だ」と最大級の賛辞を贈った。一打席でゲームをひっくり返す破壊力。ファンが求めてやまない劇的な幕切れを、これ以上ない形で現実のものにしてみせた。