「時間がないから」と、介護者が先回りしてすべてのボタンを留めてしまう。良かれと思って行うこの行動が、実は高齢者の残存能力を奪っているとレポートは強く警告する。着脱介助の本質は、単に服を着替えさせることではない。自分でできる部分を見極め、そこをあえて手を出さずに見守る「引き算の介護」だ。
自分でボタンを一つ留められたという達成感は、脳への強い刺激となり、ADL(日常生活動作)の維持に直結する。効率優先の現場で、いかにしてこの「見守る時間」を確保するか。レポートは、介助者の意識改革こそが最大の効率化であると説く。