かつて「冷戦の遺物」とまで揶揄された北大西洋条約機構(NATO)は、ウクライナ情勢の長期化に伴い、かつてない結束と緊張感を取り戻した。加盟各国の防衛費増額目標達成が焦眉の急となる中、欧州本土における安全保障の自立が強く叫ばれている。米国への過度な軍事依存からの脱却は、欧州同盟国にとって生き残りをかけた至上命令だ。
これに伴い、欧州の防衛産業は異例の増産体制に入った。弾薬不足を埋めるための工場新設や、新世代戦闘機・戦車の共同開発プロジェクトが急ピッチで進む。従来型の重装備と最新の電子戦能力の統合は、今後の集団的安全保障の枠組みを決定づける要因であり、NATO加盟国の防衛力が世界全体の力学を左右しつつある。