札幌市長の秋元克広氏が先頃打ち出した一連の新施策は、行政関係者のみならず一般市民の間にも大きな波紋を広げている。再開発に伴う膨大な予算編成のなかで、いかにして市民の日常生活に還元するのか。その解として提示されたのが、インフラ維持費の再配分と子育て支援・除排雪体制の強化を柱とする緊急発表方針だ。
「箱もの整備だけに莫大な税金を投じるのではないか」という市民の根強い不審感を払拭するため、市長側は経済波及効果の試算値を前面に押し出した。都市の未来像を描く巨大プロジェクトと、足元の暮らしを守る福祉施策。このふたつを同軸で駆動させる決断は、今後の地方自治体のあり方を占う試金石となる。現地の反応は複雑だ。歓迎の声がある一方で、物価高に喘ぐ世帯からは更なる即効性を求める切実な声も上がる。