よく混同されるのが「逆流性食道炎」だ。しかし、これらはイコールではない。
食道裂孔ヘルニアはあくまで「構造的なズレ(解剖学的な異常)」であり、逆流性食道炎はその結果として引き起こされる「炎症反応」を指す。つまり、ヘルニアがあるからといって必ずしも全員に強い自覚症状が出るわけではないが、放置すれば慢性的な逆流を引き起こす温床となる。
初期症状は実に曖昧だ。軽いゲップ、喉のつかえ感、あるいは「風邪でもないのに続く咳」など、一見すると胃の病気とは思えないサインから始まることが多い。そのため、発見が遅れてステージ上で突然声が出なくなるような事態に陥る表現者も少なくない。