なぜ2人の間には子供がいないのか。公に本人の口から詳細な理由が語られたわけではありませんが、当時の時代背景、年齢、そして2人の置かれた境遇から、田中裕子に子供がいない理由として3つの要因が浮かび上がります。
1. 結婚当時の年齢と女優としての多忙なキャリア
2人が正式に入籍した1989年11月、田中裕子さんの年齢は34歳、沢田研二さんは41歳でした。現代でこそ30代半ばの初産は一般的ですが、当時の医学水準や社会通念では高齢出産の範疇に入り始めていた時期です。さらに田中さんは日本映画界を背負うトップ女優として映画やドラマの主演オファーが絶えず、体調管理や長期休養を必要とする妊娠・出産のハードルが高かった背景があります。
2. 前妻の実子に対する配慮と心理的バウンダリー
沢田研二さんと田中裕子さんの交際は、前妻・伊藤エミさんとの婚姻関係が続いていた時期から報じられ、当時は「略奪愛」として世間から激しいバッシングを受けました。沢田さんは前妻との間に生まれた長男に対し深い愛情と罪悪感を抱いており、莫大な財産分与と自宅を譲渡しています。新たに家庭を築くにあたり、前妻の息子への配慮と精神的な境界線(心理的バウンダリー)を守るため、新たな子供を作らないという合意が自然と形成された可能性は高いと見られています。
3. パートナーシップそのものを目的とする生き方
「家族=子供を持つこと」という昭和的な固定観念に縛られず、2人で表現者として高め合い、支え合うパートナーシップを選んだ点です。周囲の騒音に惑わされず、互いの存在そのものを人生の軸に置く選択をした結果と言えます。