最終決戦の引き金となった産屋敷邸での鬼舞辻無惨と産屋敷耀哉の会話(原作第16巻第137話)は、作品全体のテーマである「不滅とは何か」を巡る最高峰の名シーンです。
病に侵され衰弱した耀哉を前に、無惨は「醜い、実に醜い。酷い悪臭だ」と嘲笑し、自らの永遠の肉体を誇示します。しかし、耀哉から「君は永遠を夢見ているようだが、人の想いこそが永遠であり、不滅なんだよ」「君が死ねば全ての鬼が滅びるだろう?」と核心を突かれた際、無惨は激しい動揺と嫌悪感を露わにしました。
肉体の不死のみに固執する無惨と、肉体は滅びても意志を次代へ繋ぐ産屋敷一族。この会話によって、無惨の掲げる言葉がいかに孤独で脆弱な自己保全に基づいているかが白日の下に晒されました。