結論から明かせば、歯そのものが内側から黒く変色しているわけではない。犯人は、歯の表面に沈着した「ステイン(外来性着色)」だ。
医薬部外品として確固たる実績を持つコンクール ジェルコートFには、薬用成分として塩酸クロルヘキシジン(殺菌剤)とフッ化ナトリウム(フッ素)が配合されている。この塩酸クロルヘキシジンは、歯周病菌や虫歯菌の細胞膜を破壊する極めて強力な殺菌力を持つ一方で、ある特異な性質を備えている。唾液中のタンパク質やペリクルと結びつきやすく、そこにコーヒー、紅茶、緑茶、赤ワインなどに含まれるポリフェノールやタンニンが接触すると、強固な化学結合を起こして褐色〜黒褐色の色素沈着物を作り出してしまうのだ。
予防歯科の現場で活躍する歯科医師らは、この現象を「クロルヘキシジン・ステイン」と呼ぶ。虫歯や歯周病を徹底的に防ごうとすればするほど、殺菌成分が口内に長く留まり、飲食習慣と組み合わさることで黒ずみとして顕在化する。つまり、黒ずみは薬用成分がしっかり働いている証拠とも言える皮肉な副産物なのだ。