この都市伝説を決定的なポップカルチャーへと昇華させた立役者が、当時わずか16歳だったクリエイターのケイン・パーソンズ(Kane Pixels)だ。彼が自身のYouTubeチャンネルに投稿した短編映像『The Backrooms (Found Footage)』は、公開直後から爆発的な再生数を叩き出し、瞬く間に世界中の映像制作者たちを震撼させた。
彼が駆使したのは、粗い磁気テープの質感を再現したアナログホラーと、生々しい臨場感を叩きつけるファウンド・フッテージ形式だ。1980年代風のVHSカメラの激しいブレ、乱れる走査線ノイズ、そして無人の部屋の死角から突如として迫り来る正体不明の怪異。CGソフトウェア「Blender」を武器に自宅の寝室で構築されたその圧倒的なリアリティは、硬直化していた映画産業の重鎮たちを絶句させるに十分な破壊力を持っていた。