世界が再評価する知の巨人・井筒俊彦の全貌と東洋哲学の到達点

世界が再評価する知の巨人・井筒俊彦の全貌と東洋哲学の到達点

世界が再評価する知の巨人・井筒俊彦の全貌と東洋哲学の到達点にまつわる役立つ知識を詳しく紐解きます。

井筒の学問的探求の主軸となったのが、西洋近代思想が見落としていたイスラーム哲学とスーフィズム(イスラーム神秘主義)の世界である。とりわけ「最大の大師」と称される12〜13世紀の思想家イブン・アラビーの存在一性論に対する井筒の読解は、国際的にも極めて高い評価を受けている。

イブン・アラビーが説く「神と被造物の不可分な関係」を、井筒は構造論的・現象学的なアプローチを用いて明快に解き明かした。形あるすべての存在は、絶対者という光が多彩なプリズムを通じて現れた仮の姿にすぎない。井筒はこの神秘主義のヴィジョンを、単なる神秘体験の告白として片付けるのではなく、厳密な論理体系を備えた形而上学として再構築したのである。

中東の碩学たちが「井筒の英語著作を通じて、自らの伝統思想の真の深さに初めて気づかされた」と告白したほど、その視座は鋭利で本質的だった。神秘主義を理性の対極として切り捨てるのではなく、理性の極限において開かれるリアリティの階層として捉え直した点に、彼の不滅の功績がある。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。