「志村は若い頃、本当にモテた」。長年の相棒であり、共に一時代を築いた加藤茶は、後年のインタビューでたびたびそう振り返っている。ザ・ドリフターズの若手ふたりとして全国を飛び回っていた頃、楽屋裏や地方ロケの先で女性ファンからの熱狂的な視線を一身に集めていたのは、実は志村だった。
しかし、本人の恋愛観は驚くほど一途で誠実、そしてシャイだったという。好きな女性の前では口数が少なくなって照れ笑いを浮かべ、細やかな気配りを欠かさない。酒の席でも後輩やスタッフの面倒を親身にみつつ、意中の相手にはどこまでも紳士的に振る舞うスタイルは、まさに「男が惚れる男」そのもの。浮ついた見た目とは裏腹な誠実な人柄が、周囲の人々を魅了して離さなかった。