日本映画の金字塔として今なお語り継がれる『麻雀放浪記』。モノクロームの陰影を極限まで活かした緊迫感あふれるカット割り、息を呑む勝負師たちの視線劇は、公開から数十年が経過した現在でも映画監督志望者たちのバイブルであり続けている。
一方で、軽快なコメディタッチと洗練された都会的センスを爆発させた『快盗ルビイ』のような洒脱なアプローチも、和田監督ならではの多面的な魅力だ。重厚なドラマ性とポップな遊び心。この相反する二つの要素を自在に行き来するディレクション手法は、今回の最新プロジェクトにも色濃く受け継がれている。