ジャンルの壁を打ち破る革新的な映像表現も、本作の大きな魅力だ。一見すると手に汗握る戦争アクションの骨格を持ちながらも、その神髄は人間の内面的な恐怖や猜疑心を炙り出す緻密なサスペンス・スリラーの構造にある。観客はただ派手な爆破や銃撃戦を観賞するのではなく、いつ誰が牙をむくかわからない息詰まる緊迫感に終始晒されることになる。
長年培われてきたハリウッドのアクション映画の定石を打ち破り、サスペンスの緊張感を限界まで高めたことで、一瞬たりともスクリーンから目を離せない緊迫感が生まれた。戦場の現場で戦う者だけでなく、それを記録する者、そして巻き込まれる市民たちの心理描写が巧みに交錯し、人間の脆さと狂気が容赦なくカメラに収められている。