なぜ今、トップアスリートや市民ランナーの間で足袋型ランニングシューズが見直されているのでしょうか。その最大の理由は、厚底シューズの対極に位置する「ベアフットランニング(裸足感覚走法)」の効果にあります。
現代のランニングシューズは極めてクッション性が高く、踵からドスンと着地する「ヒールストライク走法」でも足への衝撃が吸収されます。しかし、この着地衝撃は膝や股関節、腰へと蓄積し、慢性的な故障の原因になるケースも少なくありません。これに対し、ソールが極めて薄い足袋型シューズを履いて踵着地を行うと、ダイレクトな衝撃が足に伝わるため、人間の防衛本能が働いて自然と足裏全体(中足部)で着地する「ミッドフット着地」や前足部で捉える「フォアフット着地」へと矯正されます。
足袋特有の「親指と他の4本指が独立して動く構造」は、着地時に足指がパーッと広がり、アーチ構造(土踏まず)の天然のサスペンションをフル稼働させます。これにより、足裏の固有受容感覚が研ぎ澄まされ、ふくらはぎの深層筋肉や足底腱膜が自然と鍛え上げられるという、フォーム改善と故障予防の好循環が生まれるのです。