冷戦状態と囁かれ続けた二人の関係に大きな感情の波が訪れたのは、2014年のことでした。氷室京介が両耳の聴力トラブルを主な理由として、ライブ活動からの無期限休止を電撃発表したのです。
この衝撃の発表を受け、布袋寅泰は自身のブログで胸中を吐露しました。「ヒムロックのプライドと苦悩を思うと胸が張り裂けそうだ」「もし許されるなら、もう一度隣でギターを弾かせてほしい」という切実な想いを綴ったメッセージは、日本中のロックファンを震わせました。解散から四半世紀以上が経過してもなお、布袋の中には「氷室京介のギタリスト」としての原点が鮮烈に息づいていたのです。
そして迎えた2016年5月23日、東京ドームで開催された氷室京介のファイナルステージ『LAST GIGS』最終公演。会場のスタンド席には、関係者を通じて静かにその姿を見守る布袋寅泰の姿がありました。
ステージ上での共演こそ実現しなかったものの、氷室が最後の力を振り絞ってBOØWYナンバーを歌い上げる姿を、布袋は涙を浮かべながら見つめていました。終演後、布袋はSNSに「素晴らしいステージだった。ヒムロック、本当にお疲れ様でした。ありがとう」と投稿。二人の間に横たわっていた長年の緊張の糸が、温かな敬意へとほどけた瞬間でした。