水族館の巨大水槽はなぜ割れない?アクリルの強度と日本の神技術

水族館の巨大水槽はなぜ割れない?アクリルの強度と日本の神技術

水族館の巨大水槽はなぜ割れない?アクリルの強度と日本の神技術について押さえておきたい 理由を分かりやすい構成で解説いたします。

水族館の水槽は一度設置すると数十年間にわたって使い続ける必要があります。アクリル樹脂はプラスチックの中でも群を抜いて耐候性に優れており、太陽光の紫外線や海水による加水分解に対して極めて高い耐性を持っています。

適切な設計とメンテナンスが行われていれば、アクリルパネル自体の耐用年数は数十年以上、半永久的とも言われています。さらに、地震大国である日本においては、構造的な「しなやかさ」が安全性の要となります。地震の揺れによってコンクリート躯体がわずかに歪んだ場合でも、アクリルの柔軟性がその歪みを吸収し、ガラスのように一瞬でクラックが走って水が噴出するリスクを大幅に低減しています。

また、アクリルはガラスに比べて表面硬度が低いため細かい傷がつきやすいというデメリットがありますが、これは水族館の運用上、むしろ利点にも転じます。ガラスの傷を消すのは困難を極めますが、アクリルは研磨によって容易に傷を修復できます。現在では「水を張ったままダイバーが水中から専用パッドで研磨・傷消しを行う技術」が確立されており、展示を止めることなく美しい透明度を維持し続けられます。

高橋 健太
Author

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。