審美性の向上や噛み合わせの改善を掲げ、急速に拡大したインプラント治療。しかし、その華々しい看板の裏で、下顎神経の損壊や上顎洞への異物穿孔といった重篤な後遺症が相次いでいる。CT撮影による骨幅や神経走行の事前の確認を怠り、経験浅い歯科医師がドリル操作を誤る事例は後を絶たない。
あるインプラント過失判例では、安全域を無視してインプラント体を過度に深く埋入した結果、下歯槽神経を切断された患者に対し、数千万円規模の損害賠償命令が下された。施術後に「時間が経てば麻痺は治る」と虚偽の説明を重ね、初期対応を著しく遅らせたクリニックの対応も痛烈に批判されている。これは氷山の一角に過ぎず、明確な医療過誤と呼ぶべき不手際が日常的に「不可抗力」として処理されている現実に、多くの被害者が憤りを隠せない。