武雄市図書館の歴史を語るうえで避けて通れないのが、指定管理者であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営を担った初期に起きた「選書問題」です。2013年のリニューアルオープン後、購入された中古本の中に数十年前の資格本や公立図書館の蔵書として妥当性を欠く実用書が含まれていたことが発覚し、全国的な批判を浴びました。
問題の真相には、開館時の蔵書数を短期間で大幅に拡充しようとした調達プロセスの甘さや、民間主導のスピード感を優先するあまり公共図書館が本来果たすべき「郷土資料の保存」や「学術的知見の蓄積」といった基本的責務の共有が不足していた構造的要因がありました。
批判を受けた武雄市とCCC側は、その後選書基準を抜本的に見直しました。専門職である司書によるチェック体制の強化や、選書リストの透明化、市民からのリクエストを反映する仕組みを再整備したことで、蔵書の質は大きく改善。過去の失敗を教訓に変え、専門性と大衆性のバランスを取る運営へと舵を切っています。