企業や加害者個人に対して法的な責任を追及する場合、民事上の損害賠償請求が視野に入ります。実務における慰謝料請求の相場と判例を俯瞰すると、被害の程度や不法行為の態様によって金額は大きく変動します。
暴言や軽微な嫌がらせが中心の場合の相場は50万円〜100万円程度に留まることが多い一方、長期間にわたる無視や恫喝により適応障害・うつ病を発症して休職や退職に追い込まれた事案では、150万円〜300万円程度の賠償命令が下される傾向にあります。さらに、被害者が自殺に追い込まれた痛ましい判例では、企業の安全配慮義務違反が厳格に問われ、数千万円規模の支払いが命じられた実例も存在します。
ただし、法廷闘争に至るパワハラ裁判の結末は、判決のみならず「和解」で決着する割合も少なくありません。裁判外の示談交渉や労働審判を活用することで、早期に加害者の謝罪と金銭的補償を勝ち取り、過度な長期戦を避けながら精神的区切りをつける被害者も増えています。