火のないところに煙は立ちません。ウーバーイーツが一部地域で実質的な撤退や縮小を選択した背景には、フードデリバリー業界特有の構造的課題が存在します。
第1の要因は、地方都市における配送効率の低さと注文密度の限界です。大都市圏と異なり、店舗から配達先までの走行距離が長い地方では、1人の配達員が1時間にこなせる件数が極端に落ち込みます。プラットフォーム側がインセンティブを上乗せして配達員を確保しても、手数料収入では配送コストを到底賄えない構造的赤字が続いていました。
第2に、コロナ特需の完全終了に伴う需要の平準化が挙げられます。外食回帰が進んだことで注文件数全体の伸びが落ち着き、莫大なプロモーション費用を投じてシェアを奪い合う拡大フェーズから、投下資本利益率(ROI)を厳密に精査するフェーズへと移行しました。
第3は、2026年以降の労働環境規制やコンプライアンス強化です。配達員の安全管理や待遇改善に対する社会的要求が高まり、薄利多売のビジネスモデルを維持することが極めて困難になった点が事業整理を後押ししました。