ストリーミング全盛の現在、NetflixやAmazon Prime Videoを中心に、過去の重大事件を客観的に再解剖するトゥルー・クライム(True Crime)や社会派ドキュメンタリーが世界的な潮流となっている。未解決事件や冤罪疑惑を最新の科学鑑定技術と徹底的なインタビューで掘り起こす手法は、日本国内でも『NHKスペシャル 未解決事件』シリーズなどを通じて定着しつつある。
こうした国際水準のドキュメンタリー手法は、神戸の事件に対しても新たな視座を提供する。感情論や当時のパニック状態から距離を置き、法医学データ、心理学的プロファイリング、当時の気象条件や地理空間情報を最新のデジタル技術でシミュレーションし直す。そうした冷徹なアプローチによって、都市伝説化された「陰謀論」をふるい落とし、純粋な事実関係と制度的欠陥のみを浮かび上がらせる試みが、今まさに求められている。