100万ドルは日本円で1億5,000万円前後。では、この金額で日本ではどのような生活が送れるのか。まず、100万ドルの資産を保有している場合、それを取り崩さずに運用することを前提とすれば、年利4%の運用で年間約600万円(税引前)の収入が得られる計算になる。これは月額換算で約50万円。東京都心部でも、家賃を除けば十分にゆとりのある生活が可能な水準だ。
一方、100万ドルを現金で受け取り、資産としてではなく「使う」ことを考えた場合、その使い道は多岐にわたる。都内の新築マンション(平均7,000万円〜1億円)を購入してもまだ数千万円が残る。地方都市であれば、一戸建てと新車、そして数年間の生活費までカバーできるだろう。つまり、100万ドルは日本の一般的な勤労者世帯にとって「人生を数十年早送りできる」ほどの破壊力を持つ金額なのだ。
しかし、ここで注意すべきは、100万ドルの貯金と100万ドルの年収は全く意味が異なるという点だ。年収100万ドル(約1億5,000万円)は、日本の平均年収(約450万円)の約33倍。このレベルの年収を得ている日本人は、上場企業の役員クラスか、成功した起業家、あるいはトップクラスのプロフェッショナル(医師、弁護士、投資銀行家)に限られる。100万ドルを「一度きりの資産」として捉えるか、「毎年生み出されるフロー」として捉えるかで、その価値は根本的に変わる。