兜町の証券ディーラーやヘッジファンドの運用担当者へのヒアリング取材、そしてSNSや投資家コミュニティの反応を検証すると、画面上の数字だけでは見えない生々しい市場心理が浮かび上がってきます。
大手国内証券のアクティブファンドマネージャーは、当時の相場環境について次のように現場の温度感を語っています。
「前週までの高値更新局面では、アルゴリズムが機械的に買い上がっていた側面が強い。しかし、為替が153円台に突入した瞬間にトレンドフォロー型のCTA(商品投資顧問)が一斉に売り転換した。人間が判断を下す前に、システマティックな損切り注文が板を突き抜けていったのが昨日の実情だ」(兜町運用関係者の証言)
一方で、個人投資家の動向をX(旧Twitter)やYahoo!ファイナンス掲示板、知恵袋などの投稿データから分析すると、興味深い二極化が確認できます。
2026年の新NISA開始以降に投資を始めた層からは「一括投資した投信が突然大きく目減りした」「どこまで下がるのか不安で夜も眠れない」といったパニックに近い声が散見されました。しかしその反面、相場経験の長いベテラン層からは「ようやく健全な押し目が来た」「52週高値圏からの500円程度の調整は絶好の買い場」と、冷静に指値を下方に敷く声が目立っていました。市場の動揺は、ファンダメンタルズの崩壊というよりも、新興投資家の心理的動揺とアルゴリズムの機械的反応によって増幅されていたことが浮き彫りになっています。