一昔前の春闘といえば、年功序列を前提とした一律の賃上げが主流だった。しかし現在の同社では、ジョブ型人事制度の導入が全社レベルで浸透している。今回の春闘回答においても、単に全員の基本給を一律に上げるだけでなく、職務の価値や市場価値に応じた傾斜配分が色濃く反映された。
若手社員やデジタル領域の専門職に対してより手厚いベースアップが適用される仕組みが整えられ、成果を出した社員ほど報われる賃金構造へのシフトが加速している。伝統的な電機メーカーから、アジリティの高いグローバルIT企業への脱皮を目指す変革の意志が、労使交渉の場にも色濃く投影されている形だ。