光が強くなれば、影もまた濃くなる。ここ最近、タイムラインを騒がせる料理人の炎上騒動が後を絶たない。その火種となるのは、レシピの盗用疑惑や過度な味付けへの批判、あるいはタイアップ案件の不透明さなど多岐にわたる。
なかでも世間の関心を集めた噂の真相を追うと、デジタル空間特有の構造的な歪みが見えてくる。ある著名インフルエンサーのレシピが「他者の書籍に掲載された料理の丸パクリではないか」と糾弾された一件では、家庭料理におけるアイデアの境界線という極めて曖昧なグレーゾーンが浮き彫りになった。「肉じゃがの黄金比」に著作権はあるのか。誰でも思いつく時短ワザと独自の研究成果をどこで分けるのか。ネット上の激しいバッシングの裏には、拡散至上主義が生んだクリエイター同士の過密なアイデア合戦が存在している。