愛知県で大幅な引き上げが続く最大の理由は、急激な消費者物価の上昇と深刻な人手不足です。エネルギー価格や食料品価格の高騰が労働者の生活実感を直撃する中、実質賃金の目減りを防ぐセーフティネットとしての役割が審議会で強く求められてきました。
もうひとつの決定的な要因が、愛知県の経済基盤である強大な産業構造です。愛知県には、地域全体の「地域別最低賃金」とは別に、特定の基幹産業に適用される「特定最低賃金」が設定されています。
とりわけ、トヨタ自動車を頂点とする自動車・同付属品製造業や、工作機械、鉄鋼業などに適用される製造業の特定最低賃金は、一般的な最低賃金よりも高い金額が定められています。高い技術力と付加価値を生み出す産業界が賃金全体の牽引役となり、県全体の最低水準を底上げする強力な推進力として機能しています。