思いつきで路上にテーブルを並べ、焼きそばを焼き始めることはできない。現代において路上で商売を行うには、幾重にも重なる法的手続きのクリアが必須となる。まず不可欠なのが、管轄警察署から取得する道路使用許可だ。公道を使用する正当な理由と安全対策が証明されなければ、許可証が下りることはない。
さらに飲食を扱う場合、食品衛生法に基づく保健所の厳しい営業許可基準を満たす必要がある。近年の法改正によってHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の導入が義務化され、調理設備の仕様、手洗い設備の設置、食材の温度管理に至るまで厳格なチェックが行われる。移動販売業や飲食サービス業全体に対する衛生基準が底上げされた結果、参入障壁は年々高まり、プロとしての衛生知識を持たない者の排除が進んでいる。