昨今の相撲報道において、テレビのNHK大相撲中継やインターネット配信のABEMAが見せるカメラワークは、土俵上の熱戦だけでなく客席の人間ドラマをも克明に映し出す。貴景勝の取組中、祈るように両手を握り締める純子さんの姿は、配信画面のコメント欄を瞬時に埋め尽くすほどの反響を呼んだ。
しかし、メディアが捉えた「美貌の母」という切り口だけでは、彼女の本当の姿を描ききれているとは言えない。芸能界からのスカウトや取材オファーを固辞し、あくまで「一力士の母」としての立場を貫き通した姿勢にこそ、純子さんの真の気品が表れている。話題性に流されず、息子の相撲道を守り抜いた静かな決意は、角界関係者の間でも高く評価されている。