全編を貫く無駄のない台詞回しと、息をもつかせぬ構成力。それを成し遂げたのが脚本家の渡辺あやである。説明的な台詞を徹底的に削ぎ落とし、沈黙や視線の交錯、手の震えひとつに登場人物の感情を凝縮させた。日常の細やかな喜劇と人生の残酷な不条理を同じ地平で描くその筆致は、民放ドラマや映画界からも熱烈な賛辞を集めた。
そして、オープニングを彩った椎名林檎の主題歌『カーネーション』。繊細なストリングスと慈愛に満ちたメロディは、泥臭く疾走する劇中の世界観に気品と祈りを与え、毎朝の放送を極上の芸術体験へと引き上げる決定打となった。