病に倒れる前の藤谷美和子は、昭和から平成初期のテレビ界を代表するトップアイコンでした。彼女のキャリアを振り返る上で外せない名場面は数多く存在します。
彼女の名を一躍全国区に押し上げたのが、10代の頃に出演したカルビー「ポテトチップス」のテレビCMです。「100円でカルビーポテトチップスは買えますが、カルビーポテトチップスで100円は買えません。あしからず」というフレーズとともに見せた、茶目っ気たっぷりでみずみずしい表情は日本中を魅了し、瞬く間にトップアイドルの仲間入りを果たしました。
その後、女優としての才能を開花させ、NHK連続テレビ小説『心はいつもラムネ色』や社会現象となったドラマ『金曜日の妻たちへ』シリーズなど、数々の名作ドラマや映画に出演。どこか危うげで可憐、それでいて圧倒的な透明感を持つ演技は、多くの名監督や脚本家を虜にしました。
さらに1994年、シンガーソングライターの大内義昭とデュエットした楽曲『愛が生まれた日』(日本テレビ系ドラマ『そのうち結婚する君へ』主題歌)が130万枚を超える大ヒットを記録。同年の『第36回日本レコード大賞』優秀賞を受賞し、『NHK紅白歌合戦』への初出場も果たしました。切なくも伸びやかな歌声は、今なお平成を代表するデュエットソングの金字塔として歌い継がれています。