「撮影後に動画を削除したから証拠はない」という被疑者の言い分は、現代の科学捜査の前では通用しない。警察が押収したスマートフォンやSDカード、PCに対して行われるのが、高度なデジタルフォレンジック技術だ。
事件を担当する刑事弁護士は次のように語る。「フォーマットされたメディアであっても、データ復元ツールと解析プログラムを用いれば、過去の撮影ログや消去された動画の断片は容易に復元されます。クラウドストレージへの自動バックアップ履歴やTelegramのキャッシュデータから、送信先のアカウントまで特定されるのが日常茶飯事です」。完全犯罪を狙った小細工は、自らの首を絞める動かぬ証拠へと瞬時に反転する。