試合前夜の行為は、翌日の筋出力や最大酸素摂取量(VO2 max)に悪影響を及ぼすのか。最新の大規模メタアナリシスと運動生理学の臨床実験データは、これまでの俗説を完全に覆す結果を提示した。結論から言えば、競技開始の10時間以上前に行われた性行為は、パワー発揮、反応速度、心肺機能のいかなる指標においてもパフォーマンス低下を引き起こさない。
アメリカスポーツ医学会(ACSM)のカンファレンスでも共有された測定結果によれば、性行為で消費されるエネルギー量は階段を2階分早歩きで上がる程度、カロリーにして約25〜50kcalに過ぎない。エネルギーの枯渇を心配する生理学的理由はどこにもないのだ。むしろ問題となるのは、深夜に及ぶ夜更かしやアルコールの摂取、あるいは睡眠の質の低下といった付随する生活習慣の乱れである。