では、家族が感染した際に会社への報告義務はあるのだろうか。また、会社から一方的に「休んでほしい」と指示される基準はどうなっているのか。
新型コロナウイルス流行期のような、公的に定義された「濃厚接触者」としての待機要請は、現在の季節性インフルエンザには適用されない。そのため、法律上は家族の感染事実を会社へ申告する義務までは規定されていない。しかし、企業の就業規則に「同居家族が所定の感染症に罹患した場合は速やかに報告すること」といった規定が存在する場合、労働契約上の誠実義務として報告が求められる。
多くの先進企業では、産業医のアドバイスを取り入れながら独自の内規を策定している。「同居家族が発症した場合、本人は3日間の体調観察を実施する」「検温記録を提出した上でマスク着用を義務付ける」といった運用が一般的だ。隠して出社し、万が一職場で感染を広げてしまえば、周囲との信頼関係を損なうリスクは極めて高い。まずは直属の上司や人事担当者への速やかな一報が、無用なトラブルを防ぐ鉄則だ。