満員の観客で埋め尽くされたスタジアムで繰り広げられた読売ジャイアンツと阪神タイガースの「伝統の一戦」は、まさに総力戦と呼ぶにふさわしい激闘となった。先発投手が互いに一歩も引かず、スコアボードにゼロを並べる緊迫の立ち上がり。両ベンチの緻密な継投策と守備シフトの応酬が、スタンドのボルテージを極限まで押し上げた。
勝敗を分けたのは、指揮官の果敢な代打策だった。左腕キラーとして投入された伏兵が、甘く入った初球のスライダーを一閃。ライナーで左翼席へ突き刺さる貴重な勝ち越し弾となった。伝統の重圧を背負いながらグラウンドで繰り広げられる野球の醍醐味が、凝縮された名勝負である。