黒田征太郎氏が生み出してきた代表作は、ジャンルの垣根を軽々と飛び越えます。なかでも作家・野坂昭如氏とタッグを組んだ『戦争童話集』シリーズをはじめとする絵本作品は、痛切な物語と熱を帯びた絵が見事に共鳴し、何世代にもわたって読み継がれる名作です。
もう一つの代名詞が、ジャズミュージシャンや詩人との即興セッションによるライブペインティングです。エルヴィン・ジョーンズ氏をはじめとする世界的巨匠の生演奏が響く中、全身全霊でキャンバスに絵の具を叩きつけるパフォーマンスは圧巻の一言。音楽と美術が火花を散らすその瞬間芸は、国内外で絶賛を浴びてきました。
即興でありながら確かな構造と感情を宿す黒田氏のドローイングは、完成された絵画の枠を超え、描く行為そのものを芸術へと昇華させています。