ウィーンの至宝が集うベルヴェデーレ宮殿美術館。その中核をなす巨匠グスタフ・クリムトの傑作群が、極めて異例の規模で集結する。誰もが息をのむのは、世紀の最高傑作として名高い《接吻 (クリムト)》にまつわる特別な展示構成だ。本来であれば門外不出とされる美のアイコンを中心に、奇跡的なラインナップが実現した。
なかでも妖艶な眼差しで鑑賞者を射抜く《ユディトI》の存在感は圧巻の一言に尽きる。金箔を大胆にあしらった豪奢な額縁と、ファム・ファタール(運命の女)の生々しい官能。画布から立ち上る張り詰めた緊張感と美の陶酔は、デジタル画面越しでは決して味わえない迫真のリアリティを放っている。