空を見上げても秋の気配が感じられない主因は、日本上空に二重の蓋のように居座り続ける気圧配置にある。夏の主役である太平洋高気圧の勢力が衰えず、さらにその上空へ張り出したチベット高気圧が熱のドームを形成しているのだ。
この強力な高気圧の壁に阻まれ、北からの涼しい空気を運ぶ秋雨前線は本州の遥か北、日本海北部や北海道付近に停滞を余儀なくされてきた。前線が本州上空までスムーズに南下し、ひと雨ごとに気温を下げる本来の季節推移がブロックされている。気象モデルのシミュレーションでは、9月第3週後半になってようやく上空の偏西風が蛇行を強め、秋雨前線を本州南岸へと押し下げる見通しだ。