全員に好かれるコメンテーターは、誰の記憶にも残らない。視聴者の反応が細分化し、無関心が最大の敵となった現代のメディア環境において、強烈な賛否両論を巻き起こすアジテーター(議論の引き金役)の存在は不可欠だ。
「嫌いだから見る」「どこまで過激なことを言うのか確かめる」。そうしたアンチの視線すらも、番組にとっては貴重なエンゲージメントとなる。批判を恐怖するあまり誰も本音を語らなくなった空間で、反発を恐れずに自己のロジックを展開する男。彼に対する「嫌い」という感情は、視聴者が彼という存在に強く惹きつけられていることの裏返しとも言える。