夏八木勲さんの圧倒的な演技力の基盤は、名門・俳優座養成所にありました。1963年に入所した彼は、いわゆる「俳優座15期生(花の15期生)」の一人です。
同期には、原田芳雄さん、地井武男さん、林隆三さん、前田吟さん、村井國夫さん、竜雷太さん、小野武彦さん、栗原小巻さん、太地喜和子さんといった、後に昭和から平成の演劇・映像界を牽引することになる錚々たる顔ぶれが揃っていました。互いに演技論をぶつけ合い、切磋琢磨したこの時代の経験が、夏八木さんの骨太な演技スタイルの原点となりました。
1966年に映画『骨までしゃぶる』で本格デビューして以降、野性味あふれるアクションから時代劇の凄腕剣客、社会派ドラマの重鎮、さらには温かみのある父親役まで、実に300本以上の映画や数多くのテレビドラマに出演しました。主役を引き立てながらも作品全体のクオリティを引き締める唯一無二の「名脇役」として、映画監督やプロデューサーから絶大な信頼を寄せられる存在となったのです。