彼女の議論のベースにあるのは、徹底したフランス行政法研究だ。フランスでは、国家の権力行使に対して市民がどのように異議を申し立てるかという歴史が深く刻まれている。行政の決定には必ず明確な理由が必要であり、それが担保されない決定は違法とされる。
日本の現行法では、システムによる自動処理に対してどこまでこの原則が適用できるかが曖昧なままだ。彼女は、フランスの先例を引き合いに出しながら、技術が進化しても「説明責任の主体は常に国家にある」という原則を崩してはならないと主張する。システムを理由にした言い訳は、法治国家においては許されないのだ。