冨樫義博先生のキャラクターデザインには常に深い意図があります。コムギは常に鼻水を垂らし、お世辞にも端麗とは言えない容姿で描かれています。この「不完全で醜悪とも捉えられる外見」と「盤上での圧倒的な美しさと神々しさ」のギャップは意図的なものです。
最強にして最も美しい肉体を持つメルエムが、最も弱く不完全なコムギに屈する。この対比構造こそが、キメラアント編のテーマである「人間の底知れなさ」を象徴しています。彼女の正体は、暴力や遺伝子の優劣では測れない「人間の精神の深淵」そのものだったと言えるでしょう。