「待っているだけでは、救えない命がある」——この名台詞とともにチームを引っ張る喜多見幸太を演じた鈴木亮平の存在感は、まさに圧巻の一言に尽きる。妥協を許さない役作りで知られる彼だが、本作で見せた凄みは別格だった。
医療指導のもとで徹底的に叩き込まれた手捌きは、プロの外科医ですら目を見張るスムーズさ。緊迫したオペシーンで指示を飛ばしながら、同時に素早く手を動かし続ける圧倒的な演技力。それ以上に観客の心を捉えたのは、どれほど絶望的な状況に追い込まれても諦めない、喜多見という男の深い包容力と人間味だった。彼の背中があるからこそ、チームも、そして観客も「絶対に助かる」と信じることができたのだ。