そもそも「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」とは、中国の春秋時代における呉と越の壮絶な覇権争いに由来する物語だ。敗北の屈辱を忘れないため硬い薪(たきぎ)の上で寝起きした呉王・夫差と、苦い胆(きも)を舐めて復讐を誓い続けた越王・勾践。二人の過酷な執念が生み出したドラマが、この四字熟語の起源である。
「臥薪」は薪の上に横たわる苦痛を指し、「嘗胆」は苦い胆を舐めて悔しさを反芻することを意味する。ここから、目的を達成するためにあらゆる苦痛や屈辱に耐え抜き、長い年月をかけて準備を重ねる姿勢を表すようになった。文字通りの「復讐」から時代を経て転じ、現代では「目標達成のための努力と忍耐」を意味するポジティブな文脈でも広く使われている。